(2025-04-12)
先月、1995年のアメリカ映画『ショーガール』のBlu-rayディスクを買った。
が、いざ手持ちのWindowsのパソコンで再生しようとしてもなぜか再生されない。先週にもう一度チャレンジするも、結局再生されなかった。酷い日には、これで一日潰したことがある。
待てど暮らせど、一向に再生されず。
これはおかしいなーと思いながらネットで調べてみると、どうやら専用のソフトウェアが必要らしい。
せっかく新品のディスクを買ったにも関わらず、即座に(Blu-ray対応でない)DVD版のものを再度購入。
うむ、我ながらだいぶ金遣いが荒いのが身に染みる。
Amazonで返品ができるのは知っていたが、面白い映画ではあると思ったので返品はせず。(そう言えば、これまで新品であれ中古であれ本やDVDを「買って返品した」という記憶が1個もないな。)
一週間後、やっと待ちに待ったDVDが届いたので早速パソコンで再生。
んんん?
映像は問題なく見れるが、何故か音声が聞こえない。急いでパソコンと再生中のアプリの設定音量をどちらもMAXに設定したが、これでも音声は聞こえず。
もしやパソコンが壊れたのかしらと思って、YouTubeでスピッツの曲を再生してみた。
(しまった。音量を下げるのを忘れていた。)
耳の鼓膜が破れそうになる一瞬のうちに「手」が音量を凄まじいスピードで調整にかかる。
昔、中学校の理科で習った「意識的な反応」と「反射」の違いを実感する。
ああ、今のは身体からの指令信号が脳まで届かずに脊髄が指令を返したのか。日常でもこれぐらいスピーディーに物事をこなせるようになってみたいものである。
で、問題のDVDのパッケージをよく読むと、小さな文字で「dts音声対応DVD-Videoプレーヤーで再生してください」と書いてある。
なにぃ!?
ご丁寧に、その近くには「DTS音声の再生には、DTS対応のDVDプレーヤーと、DTSデコーダーが必要です」とまで書き添えられてある。
DTSに怒ってもしょうがないので、諦めて対応するフリーソフトウェアをWebからダウンロードし、インストールする。
無事、再生できた。
ふう、やっと見れる。
・・・
視聴終了。
この映画を私が初めて目にしたのは小学生の時だった。深夜にふと目が覚め、目を覚ますと母親が何かの映画を(子供が寝ている部屋にあるテレビで)見ている。耳には、何やらイヤホンらしきものがぶら下がっている。日本語の字幕が薄っすらと見え、その時はちょうど海外の人たちの会話のシーンだったので洋画なのだろうと思った。
かくかくしかじか目が覚めてしまった偶然の機会を利用して、当時の私は布団に隠れながらこっそりそのアダルティな映画を「母と共に」見ることにした。(もちろん音声は聞こえず、その時は私が先程書いたときの状況と同じように日本語の字幕だけ表示される「サイレント映画」だった。)
その日、母親が深夜に1人で見ていたのがこの映画だった。
当時、実家にあったのはVHSビデオ(ビデオテープ)版の映画であり、今のBlu-rayディスクの映像に比べればだいぶ画質は粗かったと思うが、その時に目にした映像は今でも鮮明に覚えている。
主人公の女性「ノエミ・マローン」がラスヴェガスにヒッチハイクで向かうシーンからこの映画は始まる。
ダンサーになるために、彼女は徐々にラスヴェガスのショービジネスの世界に溶け込み始める。
表向きは、華やかに繰り広げられるダンスショー。その裏側では、「邪魔者」となるライバルを蹴落とし、複雑な人間関係の海を泳ぎ、何とか「スター」の座を狙う登場人物たち。
この構造は、おそらくいつの時代もあまり変わらないのだろう。
生計を立て始めたクラブ「チーター」で、ノエミはラスヴェガスの中でも特に一流のショー「GODDESS-女神-」のプロデューサーからオーディションのスカウトを受け、翌朝にオーディション会場へ向かう。
そのオーディションを指揮するプロデューサーは、応募して来た女性たちのダンスを見る前に全員を一列に並ばせて一人ずつ一瞥し、場合によっては「このおっぱいはスイカか?ステージは畑じゃない、帰れ!」、「鼻を整形してきたね。笑顔もいい。だが、耳が突っ張っている。整形して出直してこい」と当然のように言うが、この辺りのシーンからノエミのダンスの才能は(それまでよりもさらに)開花されていく。
それまでにノエミが出会った一人で、彼女を自分のダンスに誘ったジェームズは彼女の才能を見抜いていた。
オーディションを指揮していたプロデューサーたちも、彼女の「とても教えられるものではない」挑発的なダンスに対し、「度胸が据わっている。しかも激しくて挑発的だ。イケる」、「天性だろう」と評価する。
ノエミと出会ったときに「スターゲスト」として活躍していたクリスタルは、ノエミとの「サシ飲み」のシーンで「今の私は整形手術と化粧のおかげ」と言い、自身が顔を整形し、豊胸手術をした過去を打ち明ける。
クリスタルはノエミの胸やダンスの才能に嫉妬を隠せない。
彼女はノエミにダンスの「稽古」をする際に、
「ステージに上がりライトを浴びたいなら、ジャマするヤツは蹴落とすこと。最後の一人になれば使ってもらえる」
とアドヴァイスをする。
というような展開で、この映画ではその先のシーンも
「華やかなラスヴェガス・ショーの舞台裏で、トップ・ダンサーを夢見る女たちの激しい欲望と弱肉強食の熾烈な争い」
が描かれ、極めてサスペンスフルなドラマとなっている。
終盤では、人によっては見るに耐えないレイプシーンもあるが、教育的・性的な意味でも若い人は一度はこの映画を見てみるべきだと思う。
そして、この直後のシーンでは「性的な快楽を金銭で買える」と信じている登場人物ザックの価値観が滲み出ているが、純粋に「トップ・ダンサーになりたい」と思ってきたノエミはザックと自分の過去について話すシーンで彼の顔に唾を吐きかける。このシーンでは、「(過去にはそうだったかもしれないが、)自分は絶対に娼婦にはなるまい、そんな生き方はしまい」という、自分の信条を決して曲げない力強い内面が描かれていると感じた。(実際にこの後、ノエミは自分の友人をレイプした男に自分の手で復讐する。)
この映画とは直接的な関係はないが、映画鑑賞の直後に自分の感じる「魅力」がここ数年で大きく変化していることに気づいた。
今は、人であれ何かしらの物事であれ、表面的に見える「わかりやすいもの」にはあまり魅力を感じなくなった。人であれば、その人の「心遣い」と言えばいいのか、そういう「目に見えない、わかりづらいもの」に惹かれることが多い。これは今の20代という時期での自分の中での大きな変化な気がする。
以下、この映画で個人的に印象に残った発言やシーンをいくつか紹介しておこう。
ジェームズ:「ダンスはファックじゃない」
ノエミ:「愛のないファックはいや」
(ショーガールのスタッフ):「ヴェガスでは運とお金は一瞬よ」「何があっても泣き顔でステージに立たないで」
あと、クラブのオーナーがペニーと言う本名をホープというキャスト名を名付けるシーン。
「ペニーなんて誰がファックする?男がやりたいのは、(ノエミを見て)ヘザーやティファニーや、、、(ペニーを見てその両頬を撫でながら)ホープだ」
「うちは一流だ」
とクラブのオーナーは新入りのスタッフに語りかける。その後も「長く働きたいなら俺にフェラしろ。慣れたらグッと飲み込ませる」という台詞を吐くシーンもあった。
そのクラブの「巨乳クイーン」のママさんは
「その服をまくれ」とのたまう男性客に対して
「あんたのナニじゃ奥まで届かないよ。ヒダが分厚いからね」と切り返し、
「穴を間違えるのがオチさ」とジョークを飛ばす。
「“穴”の周りのヒダヒダをなんて言うか知ってるかい?...“女の迷路”さ!」とジョークを飛ばしたシーンにはちょっとびっくりしたけど。(一応、このジョークが「面白い」のかどうか確認するため、映画を見終わったあとに身近にいる「お姉さん」にこのことを話したら爆笑していた。)
今の時代でも、ラスヴェガスでこの映画に出てくるようなクラブは存在しているんだろうか?
あと、全然関係ないけど、イジチが純粋に思った疑問。
どうして女の人はあんなにネイルに凝ったり、他の人のネイルを見て「きゃー!きれい!!」なんてテンション爆上がりになるんだろう?
これはいつまで経っても、我々人類オス科にとってはおそらく永遠に解けないであろう「ナゾ」である。
(うーん、やっぱりようわからん。)
(2025-04-12)