伊地知のコモンズ=センス

「若者言葉」の衝撃


『入社1年目の国語力大全』(日本エスプリ研究会、宝島社)を読む。

この本の一番の衝撃は、第5章の若者言葉!

いやー、私も(まだピチピチの20代だから)もうしばらくは「若者」の部類に入る方だと思うのだが、こんな若者言葉は知らなかった。

私が知らなかった若者言葉を本書からいくつか引用して見てみよう。(なんか、かなりたくさんあるな。)

×「このケーキ、ぐうかわですよね」
⚪︎「このケーキ、とてもかわいいですよね」1きた。

×「マジつらたん」
⚪︎「本当につらいんです」

×「遅刻しそうでガンダした」
⚪︎「遅刻しそうだったので、ものすごい勢いで走りました」

×「あのバンド、超エモいよね」
⚪︎「あのバンド、切なくて哀愁があってすごくいいですよね」

×「帰ったらワンコして」
⚪︎「帰宅されたら、電話を1回だけ鳴らしてください」

×「萌え袖にすると、かわいいよね」
⚪︎「袖を長めにして指先だけ出すと、かわいいですよね」

×「あの人、まじウーロン茶だよね」
⚪︎「あの茶色の挑発の人、ほんとにうっとうしいですね」

×「結婚するならイケダンがいいなぁ」
⚪︎「理想的な旦那さんになる人と結婚したいですね」

×「あの子にジェラってるの?」
⚪︎「あの子に嫉妬してるんですか?」

×「明日のプレゼン、まじメンディー」
⚪︎「明日のプレゼンは、本当に面倒くさいですね」

×「ごめん。今日はベッケンバウアー」
⚪︎「ごめんなさい。今日は別の予定があるから行けません」

×「この店は、なしよりのありだね」
⚪︎「この店は、悪くはありませんね」

×「フロリダするから後でね」
⚪︎「今からお風呂に入るので、チャットの続きはのちほど」

×「りょ」
⚪︎「了解いたしました」

×「このコート、なうしか!」
⚪︎「このコート、今買うしかない!」

×「dkdkする〜」
⚪︎「緊張します」

×「あの子、TNJ女子だよ」
⚪︎「あの子、大したことないのにモテるんですよね」

×「おくちょ」
⚪︎「メールで送ってください」

×「mjk!」
⚪︎「本当ですか!」

本書では、これらを含むあまたの若者言葉が「上司の神経を逆なでする言葉」として紹介されており、それぞれの×⚪︎のフレーズの直後には簡単な解説が書かれている。全体としても、誤った表現(×)とそれを正しく言い換えた日本語(⚪︎)を比較しながら「一応、これらの表現はビジネスの現場では使わないように」という意味で警鐘を鳴らしている。
しかしながら、本書を読み進めてこれらの表現が省略された経緯を知ると「なるほど!」と膝を打つことが多かった。むしろ、こんな略し方や略語を最初に考えた人は頭がすごく良かったんじゃないかなと思う。(私も、一度でいいからそれぐらい賢くなってみたい。)

本書では、他にも色々な敬語表現や誤用されやすい日本語が紹介されていた。
今度、友人の家にお邪魔するときには「お邪魔しまーす」じゃなくて「失礼いたします」と言ってみようかな。

以下、いくつか印象に残った表現をそのまま引用して、わたくしは「お先に失礼いたします」。(この日本語、合ってるかな?)

(第2章の「結婚・出産」より)
×「妊娠が発覚しました」
⚪︎「妊娠が判明しました」
自分の妊娠がわかったとき、「妊娠が発覚した」と言う人がいます。「発覚」は「悪事や陰謀などの秘密が明るみに出る」という意味なので、妊娠のときに使うのは変です。「妊娠が判明した」「お医者さんに、妊娠◯ヶ月と言われました」という表現をしましょう。

×「お猿さんみたい〜」
⚪︎「お父さま似なんですね」
新生児の顔はくしゃっとしているものですが、ストレートに「お猿さんみたい」と言うのは失礼です。特徴があれば「お父さま似なんですね」「目鼻立ちがはっきりしていますね」と言い換えます。特徴がなければ「小さくてかわいい」と言うだけでもかまいません。「祖父(祖母)に似ていますね」と言うとムッとする母親もいるので、注意が必要です。

(第7章の「ものごとをけなす言葉」より)
×「支離滅裂な文章だよね」
⚪︎「考えさせられる文章だよね」
支離滅裂であるということはそれだけ多くの内容が詰まっているということでもあります。同時に熱い想いがこもっている場合もあるでしょう。支離滅裂と投げ出してしまってはそこまでですが、よく読み込んでみれば素晴らしいアイディアが眠っているかもしれません。「考えさせられる文章だ」と受け止めて、向き合ってみるのもいいのではないでしょうか。

(2025-04-13)