(2025-04-26)
安倍工房の『笑う月』(新潮文庫)を読む。
本書には、筆者自身が見た夢に関する話やそれに関するエッセイが綴られている。
本書を読んでいたら「昔、自分が見た夢」についてふと思いだことがあるので、今回はそれを書こう。
去年の秋頃、こんな夢を見た。
夜に何かの飲み会で何人かと一緒にお酒を飲んでいたとき、急に目の前の景色が反時計回りに180度回転した。(そして、気付いたら私と周りにいるメンバー全員の体が宙に浮いており、周りの景色は真っ暗だった。かなり標高が高い空中にいる、ということだけはわかった。)
一瞬だけ時が止まる。そして2、3秒ほどしてから、徐々にスピードを上げて私と周りにいる人たちが「真っ逆さま」に落下していく。落下速度が重力加速度に比例して大きくなる。
落下中に周りを見渡すと、誰もが真っ逆さまで頭から「落ちて」いる。
冷静な声で誰かが「あ、やばい」という。「もう、これはしょうがない」と呟いている者もいた。
そのまま、落下して目の前が真っ暗になり、意識が遠のいていく、、。
気付いたら、目が覚めた。ずいぶん長い眠りについていたようだった。
ゆっくり目を開けて、ぼんやりと周りを見渡す。景色は黒を基調とした、緑色の線がところどころに入った砂漠のような場所だった。といっても、地面に緑の植物のようなものが生い茂っているところもある。
何人か周りに知っていそうな人たちがいる。しかし、人間の姿ではなさそうだ。なんだろう。
近づいてみると、「その人たち」は皆サボテンの姿をしていた。顔は直接見えないが、その人が誰なのかはわかる。全員の顔の正面に「サメに襲われないための頑丈なスーツ」のようなものがあり、顔以外の部分はまさに「サボテン」の形をしている。驚くことに性別の違いもはっきりわかる。女性は胸の辺りを中心に薄い桃色のような色が広がっているが、それ以外の部分は緑色である。もちろん、体の「中身」は見えない。
ふと、誰かに手を引っ張られた。(ああ、知っている人だ。)相手はニコッ、というよりはニヤッとした不気味な笑みを浮かべている。
「行こう」と相手は言い、僕の手を引っ張って走っていく。私は訳も分からずにその人について行き、気が付いたら走っていた。といっても、移動したのはほんの一瞬で、そこには多目的トイレの扉があった。私が「落下」した場所は、どうやら公園だったようである。
相手はじっとこちらの目を見つめて「早く入ろう」と言っている。こちらはサボテンになったことに頭がいっぱいになっていたのだが、私もその言葉通り「中」に「入ろう」としたときに目が覚めた。
(2025-04-26)